農業法人へ雇用就農-小松さん

【新規就農者インタビュー】

ものづくりへのあこがれ。

 高知市出身で県外の大学進学後、高知市内の製造業関係の会社に就職した小松さんは営業マンとして勤めていたが「ものづくりへのあこがれ」があり、自分でものを作り売るということが農業ならばできるのではないかと考え、家族の理解を得て、2009 年8 月に農大研修課(現:高知県立農業担い手育成セ ンター)へと入校しました。
 就農を志した当初は漠然と独立就農を考えていましたが、農業について学んでいくうちに非農家が農家になるにはリスクが大きいと考えるようになり始 めました。次第に雇用就農へと目が向き始めました。
 「農大研修課の職員の方と県内の農業法人を見学していた時に現在勤務するトマトの村の社長との出会いがあり、すぐに就職が決まりました。
 同年10 月から雇用就農を果たした小松さんにとっては慣れない作業ばかりでしたが、数か月後にその社長が亡くなられ、社長の奥様が経営をひき農の雇 用事業(15 P参照)を活用し研修したことで会社にとって欠かせない人材として生産・出荷部門の責任者を任せられるようになりました。

経営への携わり。

 入社した当時はトマトの村は個人経営でしたが2016 年に法人化。その後直接消費者の方に自慢のトマトを使った商品を食べてほしいと高知市郊外に トマトが主役のタルト・パイの専門店「野菜がタルト」をオープンしました。「消費者との顔の見えるつながりを持つために自社でトマトの販売をしたいとずっと考えていたのでこうしたお店をオープンできたことにやりがいを感じています。出店に向けた税理士とのやりとりや商品開発に向けたフードプランナーとの打ち合わせなど、法人だからこそできる6 次化の取り組みの責任者を務めています。
 6 次化の責任者として経営に携わることとなり、視点が変わり、今まで考えたことのない会社の一面を知るなかで、ものづくりをしている自分たちの会社にはまだまだ伸びしろがあると感じています。今後は社員一丸となって農業の魅力を発信し、若い人材が就職したくなるような農業法人に成長していきたいです。

就農を考えている皆さんへ

農業法人の強みは自分達で作ったものを自分達で売ることができるという点。法人としてこの様な体制が十分に整っているからこそ加工・飲食店経営など 多様な経営展開ができています。
就農には独立だけでない様々な就農の形があると思います。自分に合った農業の始め方をぜひ考えてみてください。